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Keep Your Lamps Trimmed and Burning-灯火 / Rev. Gary Davis

 ゲイリー・デイビスをローテーションで聞くようになり、ゴスペルに対する印象が随分と変化した。ゴスペルというと、教会で牧師さんを囲んで皆んなで歌うイメージしか無かったからだ。彼のような辻説法のごとく、ギター弾き語りで歌ってしまうスタイルなんて想像すらできていなかったのだ。

 「Keep Your Lamps Trimmed and Burning」を初めて聞いたのは、ブラインド・ウィリー・ジョンソンのトリビュート盤で、デレク・トラックスが必殺のスライド・ギターをキメているやつだった。イントロから砂埃が舞うような出だしで、相変わらずのデレク節には微笑んだが、楽曲全体はあっさり気味でまともにブラインド・ウィリー・ジョンソンまで遡ろうとはしなかった。ま、今となれば痛恨のミス。この楽曲は他にも多くのアーティストにカバーされており、聞き比べるのも面白い。

 個人的にはゲイリー・デイビスバージョンをカバーしたHot Tunaのスタイルが好み。このアレンジはストーンズのようなロックバンドが演ってもハマるはずだ。

 そして自分なりに弾き語りしようと、まずは歌詞の内容を調べ始めたのだが、これがまた厄介だった。シンプルな歌詞と言ってしまえばそれまでなのだが、いったい何を言いたかったのかが理解できなかったのだ。

Mother, don’t you stop a-prayin’
Father, keep right on prayin’
Mother, don’t you stop a-prayin’
For this ol’ world is almost done
Keep your lamps trimmed and burnin’
Keep your lamps trimmed and burnin’
Keep your lamps trimmed and burnin’
For this ol’ world is almost done

 こんな感じで続いていくのだが、翻訳ソフトで日本語に起こしてもまったく意味が掴めなかった。ネットで検索してもなかなかヒットせずに苦労したが、ゴスペルの曲だということは分かったから、聖書とか福音書で検索してみることにした。予想は的中し、どうやら新約聖書マタイによる福音書25章にある例えから歌詞が作られていたようだ。

「天の御国は、たとえて言えば、それぞれがともしびを持って、花婿を出迎える十人の娘のようです」
「そのうち五人は愚かで、五人は賢かった」
「愚かな娘たちは、ともしびは持っていたが、油を用意しておかなかった」
「賢い娘たちは、自分のともしびといっしょに、入れ物に油を入れて持っていた」

 そしてこう解釈した。

「父も母も、兄弟に姉妹たちよ、心配するな」
「昔、神様がなさったようにしなさい」
「あなたのランプの灯火を良く手入れして明るく燃やしなさい」

 はたして本当の意味はどうだったのだろうか。