Bring It On Home To Me / B.Bキング&ポール・キャラック

 サム・クックの「Bring It On Home to Me」は、1962年にリリースされた彼の代表曲の一つです。その後、多くのアーティスト達にカバーされてきました。歌詞の内容は、去ってしまった恋人への未練と、戻ってきて欲しい切ない願いを歌っています。明るいメジャーキーながら、どこか切ないメロディーは、主人公の落ち着かない心模様を現しています。そして僕はこの手の雰囲気の曲がどうも好きみたいです。恋愛もよく分かっていない中学生の時から好きでしたから、歌詞の内容よりもそのメロディーとコードの空間に酔わされてしまうのかも知れません。わずか3つのコードでできた曲なのに凄いですよね。 

 さて、僕の好きなカバー・バージョンは、B.Bキングがポール・キャラックと共演したやつです。残念ながらここではB.Bの歌声は聴くことができませんが、それでもギターソロでは十分にその存在感を際立たせています。いつものように複雑なフレーズを弾きまくるのでもないのですが、今風に言えば、そのフレーズはとてもエモイです。コピーしてみると分かるのですが、B.Bのチョーキングは凄まじいです。

 ギターが歌うって、こういう事かと腑に落ちました。今までもB.Bは聞いてきましたが、彼のチョーキング&ビブラートが絶賛される理由がそこにありました。ガチガチのブルースの曲で弾いているソロよりも、「Bring It On Home to Me」のような分かりやすい曲の中でソロをとってもらった方が、B.Bの凄さ、存在感は際立ってくるものなんですね。ブルースがよく分からない、苦手な方はこの入り口からどうぞ。